血尿

血尿について

春の健康診断のシーズンがやってまいります。仕方なく受けていらっしゃる方も多いと思います。でも、せっかく受けるのですから、内容を知っておいてもいいですよね?今回は、健康診断の定番、尿検査、そのなかで、尿潜血(血尿)についてお話しします。

健康診断の尿検査

健康診断の尿検査

まずは、健康診断で行っている尿検査についてご説明します。健康診断では、紙コップに取った尿に細長いテープを浸す「テストテープ」という方法で検査を行っています。このテープには、たんぱく、糖、pHなどのいくつかの検査ができる試薬がついていまして、そのなかに「尿潜血」という項目があります。

尿潜血とは

尿潜血(+)とは、どのような意味を持つのでしょうか。尿潜血というと「尿に血が混じっている」と理解されている方も多いと思います。尿に血が混じっていることを「血尿」といいますが、「尿潜血」イコール「血尿」ではありません。尿潜血とは、血液の赤血球に含まれているヘモグロビンという物質が持つ酸化作用を利用した検査方法です。試験紙についている試薬がヘモグロビンで酸化されて色がつきます。ですから、ほかに酸化作用を持つ物質(ミオグロビンなど)や細菌が存在すると反応が出てしまいます。本当に血尿なのか、偽りの反応(偽陽性)なのかを判断するためには、尿を実際に顕微鏡で確認する必要があります。顕微鏡の拡大像(400倍)で5個以上の赤血球が確認されれば、血尿と診断されます。

血尿ってどれくらいいるの?

血尿ってどれくらいいるの?

では、実際には血尿のかたはどれくらいいるのでしょうか。ここに、茨城県、沖縄県、日立製作所職員健診での血尿陽性者のデータがあります。それぞればらつきはありますが、女性は男性の約2倍、そして、男女ともに年齢とともに血尿陽性者の数が増えていることがわかります。50歳以上の女性では、10%以上のかたに血尿が出ています。

血尿ってどんな病気が隠れているの?

血尿ってどんな病気が隠れているの?

血尿といっても、目に見えない血尿(顕微鏡的血尿といいます)では、病気ではないことも多いです。しかし、中には、癌や腎炎などの早急な治療が必要な病気の兆候であることがあります。目に見えて赤い尿(肉眼的血尿といいます)の場合には、特に病気である可能性が高くなりますので、早急に泌尿器科か腎臓内科の受診が必要となります。ほとんどが膀胱から細菌が逆流して発症しますので、膀胱炎の予防が肝心です。膀胱炎は疲れがたまっていたり下腹部を冷やしたりすると膀胱内の血液の流れが悪化して膀胱が弱い状態になって発症しやすくなります。おしっこを我慢したら膀胱炎になるとよく言われますが、じつはそれよりも疲れや寝不足、ストレス、腹部の冷えのほうが重要です。普段からお腹は冷やさないように気を付けましょう。そして、排尿時の痛みや血尿、頻尿の症状があったら早急に泌尿器科を受診して早めに治療することが大切です。
<血尿を来す主な疾患>膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石、腎結石、腎臓がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、尿道炎、前立腺炎、前立腺がん、腎梗塞、腎出血、腎血管奇形、腎外傷、ナッツクラッカー症候群、グッドパスチャー症候群、急性腎炎、慢性糸球体腎炎、など。

血尿の検査は?

血尿の検査は?

血尿の検査は、膀胱に尿をためた状態で超音波検査を行います。ほかに、レントゲン検査、尿細胞診検査、血液検査、CT検査などを状況に応じて行います。膀胱に病気が疑われるときや、肉眼的な血尿があるときには、膀胱の内視鏡検査が必要です。このように、尿潜血(+)以上を指摘されたら、必ず顕微鏡で本当の血尿なのかを確認し、血尿であったら、重要な病気が隠れていないかを調べる必要があります。
馬車道さくらクリニックでは、超音波から膀胱鏡までトータルに血尿の検査が可能ですので、尿潜血を指摘されましたらお気軽に受診してください。

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