医療コラム

2018.04.01更新

http://www.bashamichisakura.com/asset/OABSS%20for%20print.pdf当院の診察の様子を紹介する「今日の診察室から」。今回は、急に尿意を感じて我慢ができなくなったとの主訴で受診され50歳代女性のSさんです。

Sさん「1年くらい前から、急に尿意を感じて我慢ができない感じになりました。」
私「水の音を聞いたり冷たい水に触れたときに、急にトイレに行きたくなりますか? 」
Sさん「はい、以前からそのような傾向はあったのですが、最近特にひどくなりました。」
私「ほかにはどのような時に尿意が出ますか?」
Sさん「帰宅時に玄関のドアを開けようとカギを探しているときに急に我慢できなくなったり、トイレに行ってはいけないと思うと余計気になります。」
私「トイレが気になって日常生活に支障が出ていますか?」
Sさん「ええ、好きな旅行も観劇も最近は控えるようになっています。いつもトイレのことばかり考えてしまいます。」

膀胱が過敏になっているようです。過活動膀胱が疑われます。以下の質問票(過活動膀胱症状質問票OABSS)の質問3が2点以上、かつ、合計が3点以上で過活動膀胱の疑いと診断されます。

OABSS

<OABSS質問票を印刷する>

原因は? ・・・過活動膀胱は、膀胱が知覚過敏を起こしている状態をいいます。神経が問題だったり、骨盤の筋肉が弱くなることが原因だったり、あとは、季節の変わり目とかストレスだったりとか、我慢しすぎた後遺症だったり、様々です。

検査は? ・・・まずは、膀胱炎と間違えないようにしないといけません。膀胱炎でも似た症状が出ますから。尿検査をおこなって、膀胱炎がないことを確認します。それから、超音波検査などで膀胱に結石や腫瘍がないことを確認しておきます。たまに、尿管結石が膀胱付近まで落ちてきて似た症状が出ることがあります。あとは、残尿の有無を確認する必要があります。これは、最近では超音波を使って簡単にチェックできます。 また、一日の排尿回数と排尿量をチェックすることも診断に有用です(排尿日誌)。ときどき、必要以上に水分を取っていらっしゃる方がいます。排尿日誌で膀胱の過敏なのか水分の取りすぎなのかが判断できます。

治療は? ・・・年だからとあきらめてはいけません。必ずよくなります。最近はいくつもの薬が使えるようになっていますので、症状と体質に合った薬を主治医の先生と一緒に探していきましょう。また、軽度の場合には、排尿を我慢する練習をするのも効果的です。排尿日誌をつけるだけで治ってしまう方もいます。重大な病気が隠されていないかを確認したら、あとは焦らずに治していきましょう。

投稿者: 馬車道さくらクリニック

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